グレートバリアリーフの生態系には多種多様な魚が含まれています。13,000種といわれる海水魚のうち少なくとも1,500種が生息すると概算され、生物全体の種に換算しても10パーセント以上の種が存在しています。これはグレートバリアリーフの1ヘクタールあたり、約200種類もの違った魚が暮らしているということになります。
魚たちはそれぞれバラエティに富んだ色を持ち、私たちはその美しい色によって魚の種類を識別しています。多くの魚はその色を使って自分に毒があるかのようなフリをして他の魚から身を守り、また獲物を待ち伏せする際には周囲とカムフラージュするのに活用しているようです。
それでは私たちのツアーにて頻繁に見ることができる美しい魚たちをご紹介します。
クマノミは一般に「クラウンフィッシュ」として知られ、イソギンチャクにくっつくようにして生活しています。捕食者から攻撃されたときにイソギンチャクの触手の間に隠れることができるので、クマノミにとっては好都合なのです。お返しにチョウチョウウオなどのイソギンチャクの触手を食べる魚からイソギンチャクを守ってあげてもいます。クマノミは6種類いて、それぞれの種類は少しずつ違った個性を持ちます。
科学者は、クマノミがイソギンチャクの粘液を体にこすりつけて、イソギンチャクに自分の体の一部のように勘違いさせて、イソギンチャクから攻撃されないようにしているという学説を立てています。クマノミは通常両親と数尾のこどもたちという構成で暮らしています。
エンゼルフィッシュはチョウチョウウオと密接な関係があり、例えば中央の歯のように見えるしっかりしたウロコなど、いろいろな点で似た特徴を持ちますが、たいていはえらの端にある背骨で見分けることができます。エンゼルフィッシュは縄張り意識が強い性格で、一日の大部分はエサ探しに費やされます。藻や海綿、小魚など、いろいろなタイプのものを食べます。
エンゼルフィッシュはメスからオスへと性別を変えることができ、オスになったものは2~5尾のメスがいる縄張りを守るといわれています。幼少期から成魚になる段階で、劇的に体の色を変えるという研究結果もあります。
ミノカサゴはかなり活動的な捕食者です。岩棚の下に住み、夜の間獲物にそっと忍び寄ります。ほとんどのミノカサゴはカムフラージュが得意で、その能力を駆使して周囲に溶け込み、うまく隠れながら獲物を待ち伏せします。ミノカサゴの背骨部分には毒があるので、見つけても手に持ったり触ったりしないようにしてください。
グレートバリアリーフの中でどこにでもいる魚がスズメダイです。スズメダイは種類が多く、同じスズメダイの仲間でも色や斑点の模様が違うなどいろいろなタイプが見られます。その種類によっては行動や食べるものまで変わります。
スズメダイは縄張り意識が強く、特に藻を食べる種類によく見られます。この種類はプランクトンを食べる種類に比べて、一般的にくすんだ色をしていて柄も単調です。繁殖のときはメスが硬い珊瑚の表面に卵を産み、産んだ後はオスの出番で卵が孵化するまでの約14日間、しっかりと監視して敵から大事な卵を守ります。
ベラの仲間たちもかなり多様性があり、いろいろな大きさやスタイルをしています。ベラは特別なあごのシステムがあることで知られ、通常のあごの他にもう1つ、のどの下に2つ目のあごを持っています。このあごの構造は人間がミキサーを使うように、食べたエサを加工するのに役立っています。
ベラはメスからオスへと性転換することでも有名で、たいてい体の配色が変わるときに性別も変わっているようです。肉食と考えられ、魚や無脊椎動物を食べています。私たちのモアリーフクルーズの際によく見られるのは写真のジャイアントマウリベラ(通称ナポレオンフィッシュ)です。
この魚の英名Surgeonfish (外科医)は尾の両側についている背骨からきています。ニザダイはこの背骨を縄張り争いのときに防御用の武器として使います。ガードが固く、よく群れをなしているのが見られます。
ニザダイの食生活は各自の間で変化に富んでいて、海底にある藻や、藻につもる有機堆積物、動物プランクトンなどを食べて生きています。最近の研究ではニザダイはシロアリと似たシステムを持ち、専門のバクテリアを体内に共生させて藻を分解するのに役立てていることがわかっています。
